Streamhubはイギリス・ロンドンに本社を置く、動画メディア・広告ビジネスを支える統合型データプラットフォームです。Streamhub Japan Officeは、日本顧客(メディア関係者)向けに10月18日に、海外メディアトレンドワークショップを初開催。同時に新たなクロスプラットフォーム計測XFlightを発表しました。
昨今、世界各国で放送メディアは放送と配信の両立、またデジタル広告の事業拡大に取り組んでいます。放送メディアにおけるデータ利用の重要性は高まっていますが、動画視聴方法の分散化は各国で状況が異なり、複雑な課題と直面しています。それと同時に、テレビとデジタルのクロスメディア計測も大きな課題の一つです。
Streamhubは現在、クロスプラットフォーム測定プロジェクト・X-Flightに取り組んでいます。上述したような各国の状況を踏まえ、グローバルな視点から、日本でどのようにクロスメディア計測に取り組んで行くべきなのか、日本市場へ新たなソリューションを提供すべく、プロジェクトの進歩について報告いたしました。
海外メディアトレンド最新情報
Streamhub役員 Jamie Westが最新のメディアの潮流についての講演要旨。JamieがイギリスSky在職時に立ち上げたデータを利用した広告取引AdSmartの経験からデータの重要性の高まりを解説した。
1. Sky AdSmart イギリスにおける放送のアドレサブル広告の先駆け
イギリスの放送局 Skyは2014年にテレビ広告市場を伸ばすことを目標とした、広告配信プラットフォーム・Adsmartをローンチした。広告主の多くが新規顧客であり、リピート率も高く、データ活用することで広告枠の再価値化を実現した。
2. テレビ・ストリーミング市場における世界共通課題
各国で動画視聴方法の進化スピードは異なり、アメリカとヨーロッパ、日本は似て非なる市場である。特にアメリカは視聴プラットフォームの分散化が加速しており、共通指標を造ることは困難である可能性が高い。イギリスは現在推進中だが、放送局と広告主側の温度差に悩まされている状況。
3. アメリカの最新動向
2023年10月に開催された第一回アメリカCIMMメディア測定サミットでは、多くのスポーツが放送から配信にシフトし、マスリーチが難しく、トータルプランニングが不可能な状況であると発表された。一貫性のないマルチカレンシー・データセットの大きな課題とコストであり、また、プライバシー保護も含めてデータクリーンルームの需要が拡大している。
4.イギリスの最新動向
– クロスメディア・イニシアティブ
2021年にWFA(World Federation of Advertisers)とISBA(Incorporated Society of British Advertisers)の支援によるクロスメディア計測プログラム、Originが発足された。 しかし、放送局が当初より関与しないことで影響力を持つことができず、コントロールができずその結果、テレビにはメリットのない測定基準となった。
– 放送局のイニシアティブ
SkyがアメリカのNBC Cflightの枠組みを基に開始する。広告配信ログとBARBのカレンシーテレビ視聴データを、RSMBが提供する独自の透明性の高いメソッドで新たな統合指標を構築した。ローンチから12カ月後にはITVとC4が加盟し、マーケットに受け入れられている。
5. Jamie Westからのコメント
日本の今後の取り組みでは欧米の二の舞にならないよう、外部からの圧力に引きずられるのではなく、内部から関与していくことが大変重要である。変革を自らリードし、変化に身を任せない。また業界全体で中立性と透明性をもって考え、新たなフェーズに突入すべきではないだろうか。
Streamhubサービスの最新情報と取り組み
1. Streamhubとは
2015年よりロンドン(イギリス)に本社を構え、東京(日本)、バンガロール(インド)の3拠点からグローバルクライアントの動画サービスのビジネスを支援。動画・テレビビジネスの支援とマネタイズの拡大を実現することをミッションに掲げ、メディア・広告ビジネスを支える統合型データプラットフォームを提供する。
- Streamhub Analytics:OTTや視聴ログ等の全数データの統合管理の他、オンラインパネル集計、TVパネル集計などマルチデータソースからの分析と充実した番組・広告のレポーティングを実現
- Streamhub Activate:OTT視聴、視聴者登録情報や広告主データ等をクリーンルームで管理する広告・リマケターゲティング用DMP
- Streamhub Marketplace:国内外を対象としたプレミアムTV動画広告枠の取引に特化したマーケットプレイス
2. X-FLIGHT POC – Total Videoを実現
2023年6月にイギリスの調査会社RSMBとパートナーシップを締結し、業界初のテレビパネル+全数OTTのクロス・プラットフォーム指標を開発している。新たなインクリメンタルリーチ指標を構築することで、テレビおよびストリーミングにおけるコンテンツと広告枠の価値を再定義し、マネタイズの向上に繋げることを目的とする。海外の事例や集計基準を参考に、日本独自の指標構築を期待したい。
欧米の放送局が直面している課題は普遍的なものであります。日本のテレビ・動画市場には大きな伸び代がありますが、各国の経験を踏まえた上でビジネスの変革を加速し、新たなフェーズを迎えることが、新たなトータルビデオ市場構築への第一歩ではないでしょうか。
Streamhubおよびクロスプラットフォーム測定プロジェクト・X-Flightについてご興味を持っていただけましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。
Streamhub Japanは、今後も海外の知見を活かし日本のテレビ・動画ビジネスに貢献してまいります。
【Streamhubに関するお問い合わせ】
メールアドレス:contact@streamhub.co.uk
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